政友会、星死して落莫の感を免れず。 しかれども政友会の重なる部分を為せる自由党は、歴史古く地盤固く、かつ彼輩深くベンタム的利己学の実験に得る所ありて、ただ利禄これ図りて、復た人間羞恥の事あるを知らず。 故に今後とても決して分裂等の憂あるべからず、小波瀾はあるいはあるべし、小内訌はあるいはあるべし、各派の競争はあるいはあるべし。 しかれども政友会の力は正にその大政党たる所の処に存して、分裂すれば双方共に損ありて益なきが故に、いはゆる内訌もキワドき所に至れば自然にやみて、相共に利を図り害を避くることをこれ務めて、他念なかるべし。 而して世の利益一方に志すの徒は、漸次にこれに赴くべく、此処とにかく遽に衰滅に帰するには至らざるべし。 但その内容を為す所の人物は、大勲位を首とし他総務連中に至るまで、無気力、無志慨の人々なるを以て、ただ蠢々然相蕩撼し、瞢々然歳月を空過して、既に国に益なく、また大に己れに利するに至らずして、久しきを経て雲散霧消すべし。 ああこれ政友会の運命なり、それあるいは周に継ぐ者百世といへども知るべきなり、孔夫子我を欺かず。