大勲位は誠に翩々たる好才子なり。 その漢学は悪詩を作るだけの資本あり、その洋学は目録を暗記するだけの下地あり、これ既に大に他の元老を凌轢して後に無語ならしむるに足る、しかのみならず口弁ありて一時を糊塗するに余あり、しかれどもこれ要するに記室の才なり、翰林の能なり、宰相者の資にあらず。 故に法律制度に関しては、前後常に若干の功あり、総理大臣と為るに及では、ただ失敗あるのみにて一の成績なし、その器にあらざるを知るべし。 故に侯の総理と為りて企図する所を観るに、宛然下手の釣魚者なり。 船より竿より餌より糸より、百事具備するを待ちて始めて手を下すも、魚は一も得ること能はず。 有名なる行政刷新、財政整理、皆な下手の魚釣にあらずや。 一言これを断ずれぱ野心余りありて胆識足らず、内閣書記官長に止まらしめば、正にその所を得たらんなり。