墓地日に月にますます広がりて、宅地耕地総て生産地を侵すこと極て大なり。 東京谷中青山に観て見るべし。 その間歳月の久き、旧を毀ち新に代え、相償ふことを得べしといへども、そもそも大勢においては増すありて減ずるなし。 余は法案を設けて一切火葬と為し、各人携へて去りたる余は骨と灰とを一所に堆積し、毎月日を定めてこれを海中に投棄せしめんと欲す。 それ各人祭祀の如きは遺骨を家に置き、かつ写真若くは油絵等を展べ、これに対して焄蒿悽愴の誠を致せば、以て孝子貞女の情を竭すにおいて余あるにあらずや、何ぞ必ず墓域を以てせん。 もしそれ国家に大功労ありたる人物の如きは、別に碑を建ててこれを表奨する可なり、斗筲の人にして一々碑に銘するが如きは笑ふべきの甚きなり。