桂内閣は、頃日公債を外国市場に売出さんと欲して、その筋の者をして事情を探索せしめ、応募者なかるべきに窘しむと聞けり、これ始より分り切りたる事なり。 英国は南亜戦争に莫大の貲を糜し、仏国はほとんど国力の半を露国の事業に投じ、独逸は正に兇慌に悩めり。 かくの如く欧州大市場は今まさに資金に短なり。 而してわが政府が二十七、八年以来常に貧に苦しみつつあることは、議会これを暴露し、新聞紙これを夸張し、外人をして窃に疑懼を懐かしむ、この時において公債を売出さんと欲す、迂もまた甚し。 桂内閣果て百年の長計に着眼して、而してこれを建つるに必ず巨資を要するにおいては、何ぞ断然抵当を掲げて財主を挑せざる、金を借るに抵当を入るるは個人として恥づべきにあらず、邦国としてもまた同様なり。 ああこれまた従前のものと同じく、無経綸にしてただ勢利これ貪るもの耶。