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2.29. 考へることの嫌いな国民

わが邦人は利害に明にして理義に暗らし。 事に従ふことを好みて考ふることを好まず。 それただ考ふることを好まず、故に天下の最明白なる道理にして、これを放過してかつて怪まず。 永年封建制度を甘受し士人跋扈に任じて、いはゆる切棄御免の暴に遭ふもかつて抗争することを為さざりし所以の者、正にその考ふることなきに坐するのみ。 それただ考ふることを好まず、故におよそその為す所浅薄にして、十二分の処所に透徹すること能はず。 今後に要する所は、豪傑的偉人よりも哲学的偉人を得るにあり。

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