春夏の候草木青々たる時、原野若くは岡陵、人家三々五々簷端を樹間に見はす者、その近傍羊若くは豕の群、あるいは歩しあるいは臥し、牛馬もまたその中に雑居し、太白いはゆる花暖青牛臥の景尤も人目に宜し、欧米に旅行する者皆この景に感ぜざる莫し。 わが国原野これに比して大に落莫たるを免れず、独り経済に損するのみならず、美術においても大に欠くる所ありといふべし。